国債の利率は個人向けには2種類

個人向け国債には、変動金利制の10年満期と、固定金利制の5年満期のものがあります。
2008年7月に10年満期型に対して支払われる利率は、1.48%。
5年満期の場合は発行された時点の利率で固定されるので、2008年7月のもので1.22%。
一方、一般的な銀行普通預金の、一年あたりの利率は、2008年6月現在で平均0.2%。
ゆうちょ銀行の定額預金は0.4%です。
利率面だけとって銀行預金と比較すると、国債に投資した方が良いように思われます。

国債の利率は10年物の金利に現状有利か

変動金利である10年国債は、利率が半年ごとに見直されます。
ですからその見直しごとに金利が上昇していけば、支払われる利子も増加していきます。
しかしそれは、裏を返せば金利が低下した場合には、利子が減少するということでもあります。
発券後1年から途中売却(換金)することもできますが、売却直前2回分の利子を差し引かれてしまいます。
市場がバブル期のような状態であれば、変動金利は有利に働きますが、現在のような低金利では、金融商品としての利回り(満期時の総利益)は、あまり良いとはいえません。

国債の利率と経済の推移 固定金利の強みと弱み

低金利の状態がしばらく続いた場合、固定金利は有利といえます。
けれども経済情勢が推移して、好景気がおとずれたとしたら、どうでしょう。
固定金利である5年国債満期までの期間内に、銀行の金利が上昇した場合、利率面での優位性は失われてしまいます。
たしかに国債の最低金利は0.05%とされ、元本も保証されています。
満期前に売却したとして、低金利時に購入したものの場合、買いたたかれてしまう可能性もあります。
すると、結果的には売却時に、事実上の元本割れということにもなりかねません。
これが固定金利の弱みなのです。

国債の利率と変動する相場

たとえば銀行預金ならリスクは低いですが、とても運用とはいえない数字です。
株式投資や投資信託は、ハイリターンも期待できますが、元本割れの高いリスクがあり、なかなか手を出すには勇気とある程度の覚悟が必要です。
固定金利の5年国債は、購入のタイミング次第では、変動金利型や銀行預金よりも有利でしょう。
しかしこれとても、果たして現状最も効果的な運用かといえば、疑問符が付きます。
国債を利用してリスク回避を主眼に置くか、リスクを覚悟で下がった株に勝負をかけるか。
今のような低金利時代における資産運用は、なかなか一筋縄ではいかない、というのが実状のようです。

国債の利率は今後10年の投資に値するか?